
「最近よく聞くファスティング、興味はあるけれど、辛そうだし自分にできるかな…」と躊躇していませんか?
「単なるダイエット法」と思われがちなファスティングですが、最近では「無理に痩せなくてもいいけれど、健康的に歳を重ねたい」「なんとなく続く不調を整えたい」と関心を持つ人が増えています。実際のところはどうなのでしょうか。
今回は、ファスティングとパーソナル食事コンサルティングを行っている田嶋智子さんに、「健やかに歳を重ねるためのファスティング」についてお聞きしました。
インタビューから、ファスティングは単なるダイエットではなく、自分自身を見つめ直し、心と体を根本から元気にする手段であることが見えてきました。
体質改善と心を変えるファスティングの魅力
ーー 田嶋さんご自身が仕事をがんばりすぎて体を壊し、それをきっかけにファスティングに出会ったとのこと。最初はどんな風にファスティングをしてどんな変化があったのでしょうか?
一番最初に出会ったきっかけは、日本で一番歴史のある大きな協会でファスティングをさせていただいたことです。昔の私は全然食事に興味がなかったので、「短期間で手っ取り早く痩せられて、体質改善もできるもの」として出会ったのがファスティングでした。
そこから自分自身でメーカーさんと一緒にパーソナルのファスティング・プログラムを開発したんです。そこからはファスティングだけでなく食事も変えて、真剣に半年間集中して取り組み、半年で13kgくらい痩せました。
ファスティングだけやっていた時期は、終わった後にすぐリバウンドしていましたが、食事も一緒に変えたことでリバウンドすることもなくなりました。以前はひどかった頭痛がいつの間にかなくなったり、ひどい便秘だったのが便秘知らずになったり、すっかり体が改善しました。
ーー 「ファスティングに向いている方」と「避けた方がいい方」はありますか?
避けてほしい方、やってはいけない方は明確にいらっしゃいます。もともと持病があって薬を飲まれている方や、極度に痩せられている方、拒食症の方、仕事などのストレスで日常生活に支障をきたすレベルでお疲れになっている方ですね。こういった方は体にとって危険ですので避けていただきたいです。
ーー いろんなファスティングがありますが、田嶋さんが提唱されているファスティングのやり方は?
基本は、ファスティングに入るまでの整える期間として「準備食」を2日間設けます。そして実際に断食に入る日が3日間、最後に消化機能をゆっくり徐々に戻していく期間として2日間という、合計7日間のプログラムが基本です。ただし、体調やスケジュールによって断食を2日にしたり、1日だけのプチファスティングにしたりと、人によって変わってきます。

ーー 頻度やペースとしてはどれくらいが理想ですか?
まず体が元気で丈夫で、主にダイエット目的の方は2ヶ月に1回くらい入れていくのが良いです。体質改善が目的の方や、女性で細身の方は3ヶ月に1回か半年に1回くらいのペースでやっていくとちょうど良いかと思います。
細胞は約3ヶ月くらいの周期で壊れて新しい細胞が生まれていくのですが、あまり短いサイクルでファスティングをやると、新しい綺麗な細胞まで壊してしまい逆効果になってしまいます。ですので、ある程度期間を設けていくことは大事ですね。
ーー ずばり、ファスティングの一番のメリットは?
短期間でシュッとお腹もへこみ、見た目がガラッと変わるので女性にはまずそこが喜ばれます。そして二つ目は、じわじわと体質改善していくことですね。ただ、私たちがすごく大事にしているのが「心も体も元気にしていく」というところで、実は心の変化が一番大きなポイントになると思っています。
ファスティングをするとだいたい2日目くらいから、好転反応と言われる良くなるための反応が出てきます。この反応により、普段の自分の食生活であったり、思考の癖や考え方の癖だったりいろんな部分をメッセージとして教えてくれていることに気がつくんです。
「オートファジー」というリサイクル機能を活性化させることも大切です。常に食べているとオートファジーが働かずリサイクル機能が弱まるので、ファスティングをとり入れてあえて飢餓状態にすることで、リサイクル機能が活性化されます。
外から食べものが入ってこないと、体はそれを認識し、細胞の中のゴミや病原菌などを分解してお掃除し、自分のタンパク質を作り出します。これで細胞がすごく綺麗になり、その綺麗になった細胞に栄養素が入ってくるので代謝も良くなり「すごく調子がいい」という状態になるんです。
ーー ファスティングは体に負荷がかかる部分もあるので、ホルモンバランスが変わる40代の女性は不安になる方もいると思います。女性が安全に効果を高めるためのポイントはありますか?
まさに私たちもすごくその点を注意してやっています。女性ホルモンの揺らぎに関しては事前のカウンセリングである程度はわかります。事前チェックで「ストレス体質」の方は、まずはホルモンケアをしてからファスティングに進むというように、順序を変えてやっていきます。
女性ホルモンのケアのため、まずストレスホルモンのケアから始めていきます。ここでは、摂るべき栄養素をしっかり摂ってもらうということからスタートします。
太りにくい体をつくる血糖値コントロール

ーー 健康トリセツ講師でもある田嶋さんにお聞きしたいのが血糖値のお話です。食後にお腹が空いてしまったり、夜つまみ食いしてしまう原因は血糖値が関係しているのでしょうか?
最近は皆さんも「血糖値」を意識されていると思いますが、ゆらぎ世代の方に特に知っておいていただきたいのが、血糖値の乱高下(血糖値スパイク)なんです。
血糖値が急上昇すると、それを下げようと「インスリン」に無理をさせてしまいます。逆に急降下した時は、今度は数値を上げようとして「コルチゾール」というストレスホルモンが過剰に使われてしまうんです。実はこのホルモン、女性ホルモンとも密接に関わっているんです。
上がっても下がっても、身体はホルモンを一生懸命使って対応しようとします。でもその状態が続くと、どちらのホルモンも疲れてしまって、結果的に女性ホルモンまで弱まってしまうんです。そうなると、朝すっきり起きられなくなったり、気分が沈んだり、生理不順など、色々な不調が連動して起きてしまいます。
だからこそ、ご自身の身体とホルモンを優しく守ってあげるためにも、血糖値を安定させるようアドバイスさせていただいています。
ーー 血糖値を安定させるためには何に気をつければ良いでしょうか?
気をつけていただきたいことは3つあります。
1つ目は食べ方の順番です。生野菜からしっかり食べて、次にタンパク質、糖質の順によくかんで食べること。これだけで血糖値は上がりづらくなります。
2つ目は低GIのものを意識することです。上白糖などは血糖値が跳ね上がりますので、ココナッツシュガーやアガベシロップに変えると低GIで上がりにくくなります。どうしても甘いものがやめられない方は、まず砂糖を変えるところからがおすすめです。
3つ目は食べた糖質を燃やすことです。白ごはんではなく玄米や雑穀米に変えると、ぬかの部分に糖質を細胞の中で燃やす栄養素が豊富に含まれているので、食べた糖質を余らせずに済みます。

ーー ファスティングに興味はあるけれど難しそうと思っている方に、おすすめの気軽な第一歩を教えてください。
まずプチ断食から始めるのがおすすめです。例えば朝食をスムージーにしてみる。小松菜やほうれん草などの野菜に、豆乳やアーモンドミルク、冷凍フルーツやバナナを入れてミキサーにかけるなどです。これならプチ断食になりますし、1日の総カロリーもかなり減り、胃腸をすっきり休ませることができます。食べ過ぎた次の日の調整にも効果的です。
夕食後から寝ている時間を活用して、お昼までお湯やお茶だけで過ごす16時間断食もやりやすい方法です。空腹時間を長くすることでオートファジーを活性化できます。ただし、朝起きづらい方は、朝スムージーなどで程よく糖質を入れた方が調子よく過ごせます。ご自身の体調に合わせて試してみてください。
※本記事はファスティングを推奨または強制するものではありません。実践される場合はご自身の体調に合わせて無理のない範囲で行い、持病のある方や通院中の方は必ず事前に医師にご相談ください。
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プロフィール:田嶋 智子(たじま ともこ)健康トリセツ講師・ハーモニックファスティング チーフ認定カウンセラー。アパレル店長や人材業界で多くの人と向き合い、自身も仕事中ハードな生活で体調を崩したことをきっかけにファスティングと出会う。食べ方を変えるだけでなく、生き方まで整うことを実感し、現在は「食べ方も、生き方も、自分らしく整える」をテーマに活動。これまでに1,500名以上の健康相談・食事サポートを行い、一人ひとりの体質やライフスタイルに寄り添った健康づくりを提案している。企業研修やセミナー登壇、個別カウンセリングを通じて、無理なく続けられる健康習慣を全国に届けている。Instagram:https://www.instagram.com/uchikoto.fasting |
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ライター:堀江知子(ほりえ ともこ)香港在住ライター民放キー局にて、15年以上にわたりアメリカ文化や社会問題についての取材を行ってきた。2025年からは香港に移住しフリーランスとして活動している。noteやTwitterのSNSや日本メディアを通じて、アフリカの情報や見解を独自の視点から発信中。出版書籍:『40代からの人生が楽しくなる タンザニアのすごい思考法 Kindle版』。Xアカウントはこちら |

