「なんか嫌」「ずるい」兄妹喧嘩の理由を、子どもたちに聞いてみた

「なんか嫌」「ずるい」兄妹喧嘩の理由を、子どもたちに聞いてみた

Written by: Saori Oura



私のストレスの80%は、兄妹喧嘩から生まれていると言っても過言ではない。


我が家には、小学6年生の息子と小学2年生の娘がいる。4歳差の兄妹だ。


この二人が、まあ、よく喧嘩をする。朝起きてすぐに喧嘩。学校から帰ってきて喧嘩。寝る直前まで喧嘩。


「Mのほうがテレビの時間が長い!」
「いちご、にぃにのほうが多くない?」


喧嘩のきっかけは、だいたいそんな些細なことだ。


もちろん、不平等にしているつもりは毛頭ない。いちごだって「1、2、3……」と数えてみれば、結局まったく同じ数だったりする。


「ほら、同じじゃん。いちいち比べて喧嘩しないで!」


あまりに頻発するので、最近の私は兄妹喧嘩が始まると、イヤホンをつけるようになった。大好きな音楽を大音量で流して、自分の世界に入る。どちらかの味方をすると、「ママはそっちの味方ばっかり!」となる。それならいっそ、私はジャッジをしない。もちろん、手が出たり、喧嘩が行きすぎたりしたときは別だけれど。


それにしても、我が子たちはどうしてこんなに喧嘩をするのだろう。あまりに毎日続くと、私の育て方が悪かったのだろうか……、と不安になることもある。


そこで、兄妹喧嘩について、本人たちに話を聞いてみることにした。



そんなやりとりが毎日のように繰り返される。


きょうだいだからこその「なんか嫌」


まずは、日頃から「ずるい」「不平等だ」と訴えることの多い兄に、「なんで、いつもMと喧嘩しちゃうんだろう?」と聞いてみた。


息子は少し考えて、「だって、腹立つんだもん」と言った。


「じゃあさ、なんでそんなに腹が立つんだろう?もしかして、ママがMにばっかり優しくしてるとか、Mだけずるいとか、そういうふうに思ってる?」


4歳差ということもあり、どうしてもまだ幼い妹に手をかけることが多い。だから、息子は「妹ばっかり」と感じているのではないかと、ずっと気になっていた。


ところが、息子はあっさり言った。「いや、別にそういうわけじゃない」と。




もちろん、日々の細かい場面では「ずるい」と思うこともあるだろう。でも少なくとも、「ママが妹にばかり優しくしているから腹が立つ」というわけではないらしい。


「じゃあ、なんでそんなにMにイライラしちゃうんだろう?」と聞くと、息子はまた少し考えて、「なんか嫌なんだよ」と言った。


「なんか嫌って、なんだよ!!」と思いつつも、なんとなくわかる気もした。


振り返ってみると、私も弟に対しては、なかなか酷い姉だった。弟が何かものすごく悪いことをしたわけでもないのに、「部屋に入ってこないで!」と冷たく言ったことは、一度や二度ではなかった。弟のことが嫌いだったわけではない。むしろ、かわいい弟だった。それなのに、一番近い言葉を選ぶなら、たぶん私も「なんか嫌」だったのだと思う。


きょうだいは近い関係だからこそ、きれいに言葉にできない感情があったり、負の感情を遠慮なくぶつけてしまったりするのかもしれない。今になって思う、「弟よ、あの時はごめんね」と。



子どもたちが感じていた、それぞれの「不平等」



自分の子ども時代を思い出しながら、暗くなった寝室で娘にも「どうして、にぃにと喧嘩しちゃうんだろうね?」と問いかけた。


すると、娘ははっきりと言った。「にぃにばっかりママと話して、ママを取られちゃうのが嫌だ」と。


これには驚いた。私はこれまで、兄が妹に対して「ずるい」と思っている可能性ばかり考えていた。でも、娘にも「お兄ちゃんばっかり」があったのだ。


すると、娘と私の話を聞いていた息子が入ってきて、「いつもテレビの時間、Mのほうが長くてずるいじゃん!不平等だよ」と言った。


やっぱり息子にも、「妹ばっかりずるい」という気持ちがあったらしい。


話を聞いて見えてきた。二人とも、「妹ばっかり」「にぃにばっかり」と感じているのだと。



「ずるい」の奥にあるもの





6年生と2年生なのだから、宿題の量も違えば、勉強する時間も違う。その日によってゲームをする時間が多少違うこともあるし、どちらか一人とゆっくり話す日だってある。


何もかもを完全に平等にするのはだいぶ難しい。


でも、「全部同じになんてできないんだから!」で終わらせていいわけでもないのかもしれない。


いちごが一つ多い。
ゲームが10分長い。


ママと話す時間が、自分より長い。

親から見れば「それくらい」と思う小さな差を、子どもたちは驚くほどよく見ている。


だから、できるところではなるべく平等にする。そして「ずるい!」と言われたときも、「また比べてる!いい加減にして!」とすぐに跳ね返すのではなく、心に余裕があるときくらいは、その理由を聞いてみようと思う。


「なんか嫌」なのかもしれないし、「自分も同じにしてほしい」のかもしれないし、「ママ、私のことも見て」なのかもしれない。


喧嘩の根っこにある気持ちを聞いてあげることで、兄妹喧嘩は少しでも減るのだろうか。しばらく我が家で実験してみようと思う。






ライター:

大浦 沙織(おおうら さおり)

1987年東京生まれ。
大学卒業後、損害保険会社の営業事務を6年間経験。
その後、夫の海外赴任に帯同するため退職し、1年間インド・ムンバイにて海外生活をおくる。
帰国後は、「おうちで働く」を一つの軸に、ベビーマッサージの先生、Webデザインの勉強、物販のお手伝い、ブログ運営、様々なことに挑戦しながら、最終的に「ライター」の仕事に巡り逢う。
興味のある分野は、人の働き方・生き方、マインドフルネス、教育。推しはBE:FIRST。プライベートでは2児の母。 


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