40代からの友達作り。転勤族の私がたどり着いた「心地いい距離感」の5つのルール

40代からの友達作り。転勤族の私がたどり着いた「心地いい距離感」の5つのルール

Written By: 堀江知子

 

 

40代になると、新しい友達を作るのが難しくなる――という声をよく耳にします。 転勤族の我が家は数年ごとに住む国が変わる環境。お友達関係が定期的に強制リセットされる生活の中で、40代の私の「友達のつくり方」は、若い頃から進化してきたと感じます。

それはきっと、年齢を重ねて「友達」に求めるものが、良い意味で変わってきたから。 現在は香港に暮らしていますが、ここでの生活もあと1年ほど。環境が変わる日々の中で、「大人になってからの人間関係を心地よく保つコツ」のようなものが、少しずつ見えてきました。


「大人になっても、新しい友達って必要?」への私の答え



ここでよく、「年齢を重ねてから、わざわざ新しい友達をつくらなくちゃいけないの?」と聞かれることがあります。

私の答えは、迷わず「YES!」です。

もちろん、昔からの気心の知れた友達は、私にとって何物にも代えがたい大切な存在。小学生からの幼馴染や大学時代の同級生などとは今でも良い関係をずっと維持しています。 それでも私が新しい友達を作りたいと思うのは、「いま、同じ環境で、同じ空気を吸っているからこそ共有できる時間」があるからです。

特に海外生活では、言葉の壁や文化の違いなど、その土地ならではの苦労や驚きが日々たくさんあります。それをリアルタイムで分かち合い、一緒に異文化体験をして笑い合える友達は、新しい環境を生き抜くための最高のエネルギーになります。だから私は、40代になっても、これから50代になっても、新しい友達を作り続けたいと思っています。



タンザニアでの焦りと、そこから得た気づき


私の友達作りのスタイルが定まったのは、以前住んでいたアフリカのタンザニアでの経験でした。

学生時代の留学時は「英語を話せるようになりたい!」の一心で、あえて日本人コミュニティを避けていた私。しかし、40代になった今の私が一番求めているのは、何よりも「心地よさ」でした。

だからこそ、現地では自然と日本人の友人を求めるようになります。 とはいえ、当時のタンザニア在住の日本人はわずか200人ほど。圧倒的に小さなコミュニティです。最初の頃は「ここで気の合うお友達ができるかな?」と、新しい学校が始まる新一年生のように緊張していました。

 


大人数だと、結局その場を盛り上げるだけの浅い会話で終わってしまう。

 

 

「日本人コミュニティにしっかり馴染まなきゃ」という焦りもあり、最初は声をかけられたランチ会やイベントには、すべて顔を出していました。「行かないと付き合いが悪いと思われるかも」という不安があったのです。

しかし、大勢が集まる場を繰り返すうちに、あることに気がつきました。 大人数だと、結局その場を盛り上げるだけの浅い会話で終わってしまう。人数が少ない方が圧倒的に話しやすく、相手がどういう人なのかも深く知ることができる、ということに。

それからは大人数の場ではなく、気になる人を自分から誘ったり、多くても4人までの少人数の集まりに参加するようになりました。密に話す時間を大切にした結果、一緒に走るランニング仲間や、今後のキャリアについて話せる大切な仲間が数人できました。

海外生活で孤立だと感じないように「週に1度は誰かと会う」というゆるいマイルールもできて生きましたが、基本は自分の時間を大切にする。周りの友達に依存しすぎないスタンスを確立できたのは、このタンザニアでの経験があったからこそです。

 

 

40代の友達作りで大切にしている「5つのルール」

住む環境が数年ごとに変わる中で、私がたどり着いた「40代からの友達作り」の基礎。今、意識しているのは次の5つです。

 

① 会うときは「少人数」で


新しい環境で人に会うのはワクワクしますが、大勢だと笑顔で相槌を打つだけで、本当にしたかった話ができずに終わることが多いもの。だから、参加するのは多くても4人までの集まり。そして、もっとお話ししてみたいと思う人がいれば、思い切って2人きりのお茶に誘い出します。

 

② オンラインで「昔からの友」と定期的にしゃべる


新しい環境で一から人間関係を築くのは、どれだけ慣れていてもエネルギーを使います。だからこそ、素の自分を知っている昔からの友達の存在が、心の支えになります。 今は離れていてもオンラインで繋がれる時代。私は、定期的にお互いの進捗状況を話したり翌月の目標を宣言し合う仲間や、年に1回、他愛のないおしゃべりをする会を大切にしています。

 

③「好きなこと」の延長線上に仲間はいる


「友達を作ろう!」と意気込んで出かけるよりも、自分がやりたいことを楽しんでいる場所の方が、結果的に気の合う人と出会えます。私の場合は、ランニングやテニス、ハイキング。自分の「好き」を満たしにいった先で出会う人とは、共通の話題があるため、自然と心地いい関係が築けます。

 

④ 一度会って「合わない」と感じたら、それでいい


相手に気を遣って、気が進まないのにまた誘うのは、自分のためにも相手のためにもなりません。配慮ができるのは日本人女性の素敵な強みですが、大人になった今は「今回はちょっと波長が違ったかな」と思ったら、静かに距離を置いていい。お互いの貴重な時間を尊重するための、前向きな選択です。

 

⑤ 基本は「ひとりで楽しめる時間」のプロになる


新しい環境で友人ができれば、そこでの生活は何倍も楽しくなります。だから私は、何歳になっても新しい出会いを探すことを諦めません。 でも、それだけに固執して「友達を作らなきゃ」と焦ると疲れてしまいます。大切なのは、ひとりでも毎日を充実させられること。私の場合は、仕事以外にも、ランニング、映画鑑賞、街歩き、語学レッスンと、ひとりの時間も予定で忙しく埋まっています。自分自身が自立して楽しんでいるからこそ、他人ともほどよい距離感のある関係が築けるのだと思います。

 

 

そして今、香港で暮らす私の現在地

 

 

 

現在暮らしている香港では、よく一緒に過ごす大切な友達が2人います。

1人は、言葉も堪能で、常に新しいことに挑戦するエネルギーに溢れた友人。彼女とは、英語すら通じないようなディープなローカル店に飛び込み、香港の新しい食文化やディープな体験を一緒に楽しんでいます。 もう1人は、私とは対照的な落ち着いたタイプで、香港在住30年という大先輩。香港の文化や歴史をもっと知りたい私の質問に、いつでも丁寧に答えてくれる、先生のようであり、昔からのママ友のようでもある、絶対的な安心感をくれる存在です。

この友人たちがいてくれるおかげで、私の香港生活は驚くほど心が安らぐものになっています。

 

世界中に増えていく、私の大切な財産

 


こうしてそれぞれの国で、同じ空気を吸って楽しさや苦労を共にしてきた友達とは、場所が変わってもずっと連絡を取り合っています。

「住む国が変わったら、それでおしまい」ではありません。今はオンラインのおかげで、世界のどこにいても、いつでも繋がっていられる時代。 自分が動けば動くほど、そして新しい出会いに一歩を踏み出すほど、世界中に「どこにいっても繋がっていられる友達」が増えていく。これは、数年ごとに環境が変わる生き方を選んだ私にとって、何にも代えがたい人生の財産です。

 

自分の「心地よさ」を知っている強さ

 


40代になってからの友達作りは、若い頃よりもずっと「意識的」になりました。 自分が何に心地よさを感じ、何が苦手で、どんなことで疲れてしまうのか。それを自分自身がよく分かっている年だからこそ、無理をしてまで誰かと一緒にいる必要はありません。

住む場所が変わっても、変わらなくても。 自分が「好き」と思える時間をベースに持ちながら、一緒にいて心がフワッと軽くなるような、素敵な大人の友人と、これからも世界中で豊かな時間を重ねていきたいと思っています。

 

 

 

 

 
堀江知子(ほりえ ともこ)
香港在住ライター
民放キー局にて、15年以上にわたりアメリカ文化や社会問題についての取材を行ってきた。
2025年からは香港に移住しフリーランスとして活動している。noteやTwitterのSNSや日本メディアを通じて、アフリカの情報や見解を独自の視点から発信中。
出版書籍:『40代からの人生が楽しくなる タンザニアのすごい思考法 Kindle版』。
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